「ねずみいらず」の中にはサラの上に、黄な粉がはいっていた。
それはたぶん、母が僕ようにおいていたものだった。
学校から帰って腹をすかせた僕が食べるのは黄な粉ごはん。家には誰もいない。家はあけっぴろげ。そういう時代。
おひつからご飯をついで、そのうえに黄な粉を振り掛ける。
美味いし、僕の好物。なにより簡単。
黄な粉ご飯はうめぃうめぃ。
いっぱい喉をとおすと、今度は僕自身が家から出かけていた。
そして家はまた無人。
そしたらまた集団で来る。そんな家の生活だった。
2002年1月25日