用之江から茂平への道をトラックが定期的に通っていた。
そのトラックは１トン積み程度の大きさで平ボデ。ハンドルは円形でなく、自転車と同じ形。

福山から茂平の農協へ出荷物を積みにきていた。
当時、茂平に来る車といえばそれしかなかった。茂平を走る車は、ごくまれにハイヤー、嫁入り道具を積むトラック。

農協に来るトラックは用之江の坂をふらふらしながら上っていた。
学校帰り、このトラックに出会うのは楽しみで。それっと、車の後ろを走りながら押していく。

山の頂上までくると、トラックのおじさんはたまに荷台に乗せてくれていた。それがまた楽しみだった。

トラックの排気ガスはなんともいえない・・・文明の・・・いい匂いがしていた。

2002年3月17日