城見小学校の教室の壁には唐傘が並べられていた。
番号を書いていた。それは毎年順送りで使うものだったから。
その唐傘は雨の日生徒が帰り道に差すものとして用意されていた。
この唐傘は重たかった。
まず開くに重たい。油紙と油紙がひっついていてなかなかひらかない。
開いた傘を手にもつとこれは、重たい。
この傘は人気がなかった。雨が降った帰り道でもできるだけ使わないようにしていた。
どうしても使わなくてはいけないのが、全校生徒が下校する土曜日の雨だった。
傘を開くとパリパリ・バリバリと、いかにも傘が雨を受け止めている音がしていた。
そこまでは良かった、が、月曜日の晴れた朝。この傘を手に持って学校へ行くのはとんだ邪魔者であった。
そんな事で雨の下校時はビシャ濡れになっても、傘だけは使わないようにしていた。
”雨雨降れ降れ母さんが蛇の目でお迎え楽しいな・・・”、そんなことは保育園の時一度あったか?なかったか?
母さんがお迎えなどしてくれなくても子供は子供。
服を濡らして、長靴に水をいれてあるいて、なにをしても半分ん遊びの世界であった。
2002年4月19日