鞍馬天狗はむずかしい

ちゃんばら遊びは楽しい。

棒切れを持って振るだけの遊び。

皆が当時のスター、われこそが
「市川右太衛門」「あらかん」と勝手に名乗る。

先に名乗られたら仕方なしに「進藤英太郎」「山形勲」になる。
そして憎らしげに切られるふりをする。
「山形勲」になったら、必ず映画の最後の場面のように鼻をピクピクさせていた。



嵐寛寿郎の鞍馬天狗は映画の中だけでなく、漫画、ラジオ、読み物、パッチンなどあこがれのものだった。

どうにかしてあの黒頭巾の真似をしたいものと、家の風呂敷を頭にかぶせたが、どうしてもそれらしいところにはできなかった。

それは何回も試みたが毎回同じ結果であった。

2002年3月14日


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