2004年7月23日 午前6:40ころ
笠岡市元井笠鉄道笠岡駅〜くじば駅〜大井村駅
井笠鉄道が廃止された日はよく覚えている。
僕の人生の記念日の前日だったから。忘れられない。
昭和46年4月1日、その日は僕が社会人としてスタートする日だった。
あの日、翌日の入社式を控え胸が高まりながら笠岡駅に行くと。
笠岡駅のホームは人ヒトひと。
カメラを持つ、三脚をかまえる。そういう人たちがいっぱいいた。
ホームの外の線路わきもそうだった。線路両側には黒山の人だかり。
あれほど親しんだ「井笠鉄道」だったのだが、そういう理由もあり笠岡駅に行ってはじめて気がついた。
1971年3月31日。
この日を最後に井笠鉄道は廃止消滅した。いま社名にだけ「鉄道」が残る。
井笠鉄道はここから出発した。
駅舎は国鉄と同じ、というよりなかった。国鉄笠岡駅内。
国鉄笠岡駅の井笠ホームから出た汽車は国鉄と分かれる。
分かれた線路にはさまれたのが「大和座」。
大和座を過ぎると橋。
隅田川を渡る。
橋を渡ると”もっともイカサらしい”光景になる。
密集した民家の軒先(軒下?)を走る。それが井笠鉄道。
狭い庭で遊ぶ子どもたち、そのすぐ横を汽車は走った。
軒先に干した洗濯竿。
それに接するように汽車はすすんだ。
右手に笠岡の甍をみながら汽車は最初の駅「くじば」へ向う。
2004年7月24日