謝国権の本


おない年のmくんは誠之館高校へ行っていた。

彼の話す高校生活は千鳥とは違っていた。
自由。
名門でありながら「自由」、そういう感じがしていた。


彼は映画ファンであり洋画・邦画ともに好き。邦画なら市川雷蔵の「忍びの者」シリーズがお気に入り。


それともひとつ。
誠之館の女性と性についても話した。
彼の同級生に産婦人科のお医者の子弟がいて、そこからいろいろ話をしいれているみたいだった。


そういうこともあり或る日、僕は本屋で家庭の本を陳列している棚の前にたった。
謝国権著「性生活の知恵」。
その本を手にしてひろげて見た。


人間のわら人形みたいなのが二人、上下に重なったりしていた。
これが人間の姿か!
こういうことを人はしているのか!


身体が震える衝撃だった。



それは高校三年の秋のころだっただろうか。





2004年10月19日