長髪


当時、高校生の長髪は自由ではなかった。
笠岡高校だけが自由に認められていた。

笠岡高校で坊主頭が過半数をいっきの切るのが修学旅行。
偶然旅行にあわせるのか?高校のまんなかへんで長髪にするのか?

高校の2年の終わりの春、なにか坊主頭をやめたくなった。
2年生になって床屋へ行くようにもなっていた。
(それまでは、家で父のバリカンの散髪だった)

髪を伸ばしたくなった。



3年生になる春休み、大門駅前の理容・フジイにいった。長髪にした。
高校3年生のはじまりは長髪ではじまりだった。


なにか商業や工業の生徒よりえらくなった気がした。
へんな優越感が生じた。


帽子の先からちょぼっと髪の毛が出るのがなんともいえなかった。




でも経験したことの無い不自由もあった。

寝癖がつく。
これがなんともいえない不自由。


髪の手入れ。
同級生iくんは「ワセリンを塗っている。」といっていたけど。
資生堂からMG5(エムジー・ファイブ)という液体整髪料が発売されたばかし。
でも高校生が自由に買える金額ではなかった。
当時の同級生たちは整髪料を使っていたのだろうか?
いまでもよくわからない。


2004年10月19日