あのUくんがまる坊主
Uくんは二枚目。
高校1年の時同じクラス。
入学したその日、すでに彼は光る顔つきをしていた。
そういうuくんだからもてる。
女性への不可能はないという自負もいくらかあったようだ。
高1の時、彼は「将来芸能界にはいりたい。」と言っていた。
高2の時、クラスは別になった。
その頃はもう彼のクラス横の廊下にはファンが見に来ていた。のぞきに来ていた。
当時TV番組で「そっくりショー」というのがあった。
その番組に彼は出場した、学校を休んで。
「一番にはなれなかった。」と学校で会ったUくんは言っていた。
たぶん笠岡高校のほぼ全員が見たであろうTV番組「そっくりショー・神戸一郎」。
Uくんへの評論家のコメントは「似てはないですが、二枚目というとこが似ています。」。
TVでも「二枚目」と公言されたのだ。
或る日、Uくんが坊主頭になった。
あのおしゃれなUくんがまた?
便所の鏡の前で髪の毛が一本も乱れないように気をつけているUくんが。
彼に聞けば「ふふ。」と含み笑い。
その時は僕も坊主頭、それでそのことは忘れていたが。
その二年後。
大学生になって高校のO先輩の話。
「Uは生意気なので学校の屋上へ呼び出して、股くぐりをさして最後はハサミで髪の毛を切った。」
それでUくんは長髪を止めたのだった。
Uくんとは松山の映画館のスクリーンで再会した。
それからまもなく笠岡の本通りで会った。
「日大の高校へ転校し、日大に行っている。石原プロにいる、映画では一本10万の出演料をもらった。」
そういう会話だったが、もう10年以上も前か?
水島で寿司屋をしているそうだ。
2004年10月14日