深津のおばさん


ボロばあ持ってきょうた。

終戦後からじゃ。

分限者のもんがいらん服を売って、それを食いもんにかえとった。




(長女)ひろ子の服やこを買ようた。女のエエもんもあった。買うた時は麦や、芋をこっちはやりょうた。



作者記・昭和30年代の前半、深津のおばさんは大きな風呂敷を背・肩に背負い一軒一軒回っていた。
家の縁側に腰と荷物を降ろし、風呂敷いっぱい広げていた。


2000・12・24