2023年10月7   土曜日        19:01〜23;14              
笠岡市小平井・春日神社           
           「春日神社秋季大祭宵宮」備中神楽    


小平井の春日神社の宵宮に行く。

今年は神楽が奉納される。



備中神楽・荒神神楽・神殿神楽



「鴨方町史・民俗編」 鴨方町 昭和60年発行

荒神神楽

荒神神楽は、近年は備中神楽とも呼ばれている。
成羽などの奥から神楽大夫がきて、
猿田彦の舞・国譲り・天岩戸開き・大蛇退治などを演じた。
町内では三年舞・五年舞・七年舞などのような荒神神楽は、かなり以前から行われなくなっており、
現在では、秋祭りに余興として行われる宮神楽のみになっているようである。



「備中神楽」 山根堅一 岡山文庫  昭和47年発行

備中神楽を今のように、郷土芸能として、民衆のものとしたのは、
文化文政年間に、成羽の神職西林国橋が、
神話劇三編の「神代神楽」を創案して、従来の神楽の中へとり入れてからのことである。




「神楽探訪」  三村泰臣  南々社  2013年発行

神殿(こうどの)神楽ともいわれ、人気の高い神楽
荒神信仰を基盤にしているので「荒神神楽」ともいわれ、
神殿(こうどの)という仮小屋を設置して行うことから「神殿神楽」ともいわれている。





「矢掛町史・民俗編」 矢掛町 ぎょうせい 昭和55年発行

備中神楽

備中神楽を二つ分けると
「式年の太神楽」と例年各神社の宵祭りに行われる「宮神楽」に分けられる。
前者は荒神様を祭る十二支に関し、部落あげての大行事。
宮神楽は、神社の例祭に奉納されて、一年の報恩感謝と五穀豊穣を祈るものである。

昭和20年終戦とともに公式には神楽奉納は禁止された。
備中神楽は再出発した。







時間は午後7時から午後11時までの4時間予定で、

午後7時前に歩いて春日神社に行った。







備中神楽

「流域をたどる歴史・中国四国編」  ぎょうせい  昭和54年発行


備中神楽は「神殿神楽」とともに、
新しい芸能色の濃い「神代神楽(じんだいかぐら)」が大衆に親しまれ、
今日まで備中神楽のすべてを保存してきた。


神殿神楽
「神殿」と呼ぶ舞台がつくられ

神代神楽
大衆性、娯楽性が強い。
素朴さの中に郷土芸能として高いものを伝承している。
創案した西林国橋の功績と考えられる。
国橋は川上郡成羽町の神官で文化文政の頃(1804〜1830)当時の卑俗な神楽を憂いて、
記紀などの古典を参酌して、神代神楽の改正や創案をした。
この国橋のつくった備中神楽(神代神楽)が、
現在まで村々で行われている。
神殿神楽のことを荒神神楽ともいい、
普通の備中神楽(神代神楽)と区別する。

一 岩戸開き
1・両神の舞
2・思兼命の舞
3・鈿女命の舞
4・手力男命の舞
5・天照大神の出御


二 国譲り
1・両神の舞
2・大国主命の舞
3・国譲りの掛合い
4・稲背脛命
5・事代主命の舞
6・国譲り
7・鬼退治


三 大蛇(おろち)退治
1・素戔嗚尊の舞
2・嘆きの舞
3・稲田姫との契りの舞
4・松尾命の酒つくり
5・大蛇退治


大衆性と芸能性とを十分にそなえていることが、
他地方の神楽に見られない点ではないかと考えられる。






修祓(しゅうばつ)

神楽太夫が着座する。








榊舞

「お祓い」を唱え、祓い清める。
















役指(やくざし)の舞














猿田彦の舞








「先払いにたち給う猿田彦(さるだひこ)の神なり。

邪魔外道が目入れなすとも、この神剣をもって東西南北に追い払い、天下泰平、国家安泰を守護いたさばやと存じ候」


















国譲り

両神の舞







”神のます高天が原より天降り 瑞穂の国へ急ぐらん”
















国譲り

大国主の命の舞







大国主の命が登場すると、観衆は、前に前によってきて

これから行われるであろう”福の種”へ、期待と興奮が高まってきた。








備中神楽」 山根堅一 岡山文庫  昭和47年発行


備中神楽「国譲り」大国主命の舞

「そも舞い出でし翁は、
この国の主(あるじ)大国主の命なり。
われを祭る輩(ともがら)には福徳幸いを授くるなり。
また手向かうものあるときは、
この打ち出の小槌広鉾両種の威徳をもって打ち固め、
世を安国としずめるなり。」

「いよいよ尊信するとあるならば、
これより中津国のかまど巡りなさばやと存じ候。」

「いそぎようやく清々しき神殿に着いたと覚えたり。
しばらくこの所に鎮座いたし、
十二支五性の産子に、福の種を授けばやと存じ候」

”大国が万宝袋の紐解いて
多くの産子に福を授くる”

「急ぎたまえ。」
「はやしたまえや。」で、
神前へ供えた小餅やみかんなどを、福の種といって、
観衆へ向けてまきちらす。

「まくぞや、まくぞや、福の種をまくぞや。」

太鼓は急調子にはやしたてる。
子どもはもちろん大人まで、
なりふりかまわず騒ぎたて、
神楽場は湧きに湧く。

「福の種をまきたるが故に、
この所にてしばらく休息なさらばやと存じ候。」






「急ぎたまえ」

「はやしたまえや」









「まくぞや、まくぞや、福の種をまくぞや」











太鼓は急調子、観衆はなりふりかまわず、福の種をひろおうとする。










「福の種をまきたるが故に、この所にてしばらくは休憩なさらばやと存じ候」







備中神楽A国譲りB



2023年10月8日





 

お知らせ 



  「 写真集  去りゆく笠岡 生まれ出ずる笠岡」  







発行者・笠岡路上観察研究会

発行日・2023年10月1日

定価・2.000円

 販売・(笠岡市西本町)石井写真館







備中神楽A国譲りB



2023年10月8日