上野公園の浮浪者

上野公園には”ひなたぼっこ”を決めこんだ人がいて、足を投げ出して時間がたつのを楽しんでいる様子の人たちがいた。

小春日和の日、はっきりいって。うらやましかった。


その当時ホームレスという言葉はなかった。
働きたければいくらでもソレ以上の生活は出来きる時代でもあった。悪くいえば「おうちゃく」、良くいえばディオゲネス・「仙人」みたいな、そういう人たちと感じていた。

せこせこ働く・働かざるを得ない自分達と比べ、はるかな自由身分と時間を楽しむ、そういう雰囲気をいくらか感じさせていた。



その人たちには冬のダンボールの家の生活もあり、そこで命を落とす。そういう事、そして少年犯罪に狙われる事。それが社会問題になり論議を呼ぶ事、それはまだ後になったからだった。


僕が見た上野公園の浮浪者は、極めつけ自由人という意味でのショックであった。

2002年4月12日 8:24:05 PM