「明日は出てくれるんじゃろうな」


三井造船の第一ドック第二ドック合併工事は佳境を向かえていた。
毎晩8時〜10時ころまで仕事。

休みなし。

3週間ほど休みなしでぶっつづけで仕事をしていた頃、冬のボーナス支給があった。

次の日曜日は久しぶりに「日曜日」をしたくなった。


「次の日曜日は休みますからね。」、それを職員全員に一人ひとり言った。


土曜日。
夜、9時ごろ。
仕事も一区切り、『さあ、明日は休み。』

あいさつをして帰り際、事務所の扉を開けた時。
うしろから大きな声。

「明日は出てくれるんじゃろうな」

工事主任の声だった。

「こんどの日曜は休むと言ってたでしょう。」
主任から言葉は返らなかった。


ボーナスをいっぱい持って久しぶりの休日をした。


あの時、僕が休むのを周知で言った主任のことば。
予定通り休んだ自分。




なつかしく、またふっきれない(申しわけない)思い出となっている。



2004年10月20日