アリvsフォアマン


アフリカのまんなかに「ベルギー領コンゴ」という大きな国があった。


独立後内乱がありルムンバ首相が暗殺されたり・・・そういう混乱しているというイメージがあった。

それからまた数年、「ザイール」という国でアリが試合をすることになった。
「ザイール」を地図で見ると「ベルギー領コンゴ」の国名だった。


既にアリは伝説の男になり。
かたや「牛をも倒す」(像をも倒す?)男のファアマン。


アリを破り大統領からも賞賛され国家ヒーローになったフレージャー、その男を完璧なノックアウトで世界に衝撃したフォアマン。
ヘビー級であれほどすさまじいKOシーンはないというくらいフレージャーはやられた。


東京での防衛戦も軽くKO勝ち。
かたやアリはノートンにあごの骨を折られ敗戦。

もはやアフリカの真ん中での試合はアリの引退試合同然の予想だった。



五洋建設の日比明神寮、そこでTV観戦した。業務中の時間である。


ジャングルの町の特設リンクは会場としても異様。当然青天。
”アリ・アリ”の大合唱。

お客は全員アリの見方。


試合は一方的にフォアマンが攻める。
アリの選手としての葬儀の試合。

解説者「アリは守っているのではありません。攻撃できないのです。」
打たれっぱなし。



1分間の休憩にアリはイスに座らない。

たったまま外を向いて片手を上下、その手にあわせ”アリ・アリ”の大合唱。


4ラウンドくらいだったろうか、ようやくアリもパンチを出した。1〜2発。
解説者「効いてますよ。(守るだけは)アリの作戦だったですね。」
見ている素人の僕にはわからなかったが。

それから2ラウンドくらいすすんで突然アリがパンチを出した。

ファオマンがゆっくりと倒れていった。レフリーのカウントは早かった。


ものすごい興奮の試合だった。


伝説のアリはさらに伝説を積み上げ20世紀最大のスポーツヒーローになった。そういう試合だった。




2004年10月14日