志布志町の夏井


当時、鹿児島県曽於郡志布志町は「スモッグの下のビフテキより、青空の下のにぎり飯」のスローガンで、志布志湾石油コンビナート反対運動が起こっていた。

僕が感じたのは、この反対運動は市民運動ではなかった。地元「南日本新聞社」の反対キャンペーンであった。
なぜなら、反対する人に出会った事はなかった。賛成する人もいなかったが。

志布志湾は白砂が、湾曲しながらみわたす限りつづいていた。その真ん中あたりにポツンと小島が浮かび、それがビロウ島。
ビロウ島は「グァム島から帰還した日本兵の映画でロケ地になった。」と、よく聞かされた。全島ビロウだけの無人島。


志布志では漁港の改修工事を毎年していた。
志布志の町から海辺を通って東に行くと宮崎県串間市との県境に夏井という地区があり、そこでは道路工事をしていた。

志布志〜夏井は10分もかからないが、その間の海の景色は見事であった。
岬の海は真っ青にもなっていたが、反対に言えば県境の寂ししところでもあった。

鹿屋から志布志町には週一回は行っていたが、全体鹿児島県の大隈半島は何処へ行っても日本のはずれ、鹿児島のはずれであった。


2002年3月27日

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