悲しい恋の物語

その娘は…呉商高を卒業して18歳、23歳の…僕の隣に配置された。

ちょっとツンとしたところがあったが可愛い娘で、すぐ好きになった。そしてデートの作戦を。

「今日の6時半に喫茶アマンで逢おう」彼女はあっさり了解した。すぐ飛び上がる気持ちで同僚のT先輩に報告。

その日6時を待って、会社を出、喫茶アマンで彼女を待つ。

待てども待てども彼女は来ない。ついに僕はT先輩の待つ小料理屋にひとりでいった。T先輩は来るであろう僕と彼女の二次デートの場所で料理と会話の準備をして待っていたのだ。

翌日彼女に「昨日は、どうして、なにかあった ?」との問いかけに、「アマンで待っていたのに…(僕が来なかった)」。

僕にとっての喫茶アマンは会社から3分ほどのところのアマンで、彼女にとっての喫茶アマンは阿賀の呉商近くのアマンであった。

 

これが運というもんだった。どうもそのことで彼女とはツキがなく、しばらくして僕は鹿児島に赴任した。

それにしても当日はT先輩に申し訳なく、自分も情けなく…呉・中道りの悲しい話。



99・11・28

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