保育所のお雛様


保育所は教室が二つ。
一年保育。
二年保育。

冬の季節はストーブが教室のまんなかにあった。
ストーブは小学校の教員室と保育所にしかなかった。

上の小学生にたいして威張れるのはストーブがある、そのことだけだった。

ストーブには先生(保母さん)が石炭をくべていた。
大きな石炭だった。

氷の板をもってストーブにつけて”ジューン”と溶かすのが遊びだった。


城見保育所の壁にお雛様がかかげられていた。
折り紙でつくった二人の人形。
紙でつくったお雛さま。
そのお雛様は子供のぼくたちにはきらめくほど輝いていた。

灯りをつけましょう ぼんぼりに
  お花をあげましょ 桃の花
  五人ばやしの 笛太鼓
  今日はたのしい ひな祭り

お内裏様と おひな様
  二人ならんで すまし顔
  お嫁にいらした 姉様に
  よく似た官女の 白い顔


2004年10月16日