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犬養首相は少しの間首相だった。
殺されたが、田舎では関係無い話であった。


荒木陸軍大臣の談話

「純真なるこれ等青年がこくのごとき挙措に出たる心情を考えれば、涙なきをえない。
真に皇国のためになると信じておこなった事であるので、この事件を契機として再思・三省をして被告の心事を無にせざらんことを切望する。」

これではまるで殺された犬養首相が悪人で、テロリストが皇国・愛国の志士だということになる。


5・15事件の被告をほめたたえて減刑しようという運動は、全国的規模で展開された。
全国から被告たちを激励する手紙や贈り物が送られてきた。
被告に結婚を申込んだ女性も少なくなかった。
5・15事件は、国民の少なからぬ部分が精神的に異常を来たしていることを示している。

「軍国日本の興亡」より。

2002年5月5日