「帝国」ならば 宣統帝・溥儀 (のちの満州国皇帝)    『わが半生』


 私は気にかかっていたもうひとつの重要問題について(土居原に)聞いてみた。
「その新国家はどのような国家になるのですか」

 「さきほども申し上げましたように、独立自主の国家で、宣統帝がすべてを決定する国家であります」

「私がきいたのはそのことではない。私が知りたいのは、その国家が共和制か、それとも帝政か、帝国であるかどうかということです」

私はあくまで固執した。「復位ならば、私は行きますが、そうでないなら私は行きません」

「もちろん帝国です。それは問題ありません」
「帝国ならば行きましょう」

私は満足の意を示した。

2001年10月21日