2020年7月14日 火曜日 13:23〜14:09
笠岡市笠岡
前日(7/13)は、ほぼ一日雨だった。
その夜の未明(7/14)から朝の10時ごろまで、激しい雨が降った。
明け方からスマホには「笠岡大雨警報レベル3」の表示が出た。
昼前に雨はあがり、青空が出た。青空を見るのは何日ぶりかな?
今日は月に一度の”大仙さん”の日。
11時ごろには終わるが、今日は大雨でお参りの人も少なかったろうな。
その大仙さんの前を流れる隅田川。
水量は多く、流れも速い。
小田県庁門の前、
水路も石垣や石橋のすぐ下まで水嵩がある。
今日は「真なべ屋」が在った場所に行く。
「真なべ屋」は笠神社と愛宕宮の間くらいにあった。
笠神社。
狛犬が蝙蝠傘を差してマスクをしている。
狛犬が大きいので、マスクも人間サイズの3〜4倍ある。
でかいマスクをしている。
笠神社から笠岡駅方面を見る。
ところで「真なべ屋」は実在した宿ではない。
人気作家・伊東潤氏の「潮待ちの宿」という小説に登場する架空の宿屋。
小説の舞台は、江戸末期から明治の初め、伏越にある宿で
奉公人の志鶴ちゃんという利口な小娘が主人公のお話。
笠岡の春は、瀬戸内海の潮風と共にやってくる。
潮の香りが街中まで漂ってくると、はるか沖合に真鯛の群れが到来する。
笠岡から四里半ほど南にある真鍋島の辺りは好漁場で鞆ノ津の船団と張り合うように漁を行っていた。
漁船が真鯛を満載して帰還すると、笠岡の町のそこかしこから笑い声が聞こえてくる。
愛宕宮は応神山の中腹にある社で、その参道が急峻なため、誰もが伏すように登ったことから、この辺りに伏越という地名が付いたという。
オール読物2018年6月号「潮待ちの宿・追跡者」伊東潤
愛宕宮は、地福寺の山側ににある。
伏越の地福寺。
地福寺に寄ったのはもう一つ、ハスの花を見に来た。
残念ながら↑散りはてていた。
地福寺の五重塔。
真なべ屋は二つの港が見えるところにある。
そうだとすれば、この付近かな?
真ん中に古城山を挟んで、
右手に笠岡港。
写真中央に山陽本線や笠岡駅。線路が、ほぼ海岸線で、江戸時代は船が並んでいた。
左手に伏越港。
オール読物2018年6月号「潮待ちの宿・追跡者」伊東潤
菅笠の武士が「眞に絶景だな」とつぶやく。
「長岡藩の河井継之助と申す。ここと違って雪深い地だ」
継之助は「よきところだ」と言っては感嘆しきりである。
もっと絶景の愛宕宮に行ってみよう。
この道がたぶん、危険な海岸の道でなく、波にさらわれることのない安全な「上道」と呼ばれる道と思った。
ところが、数日来の雨で道は半分消滅。行くのはあきらめた。
応神山からは、至る所で小川が自然発生して流れ落ちていた。
オール読物2018年6月号「潮待ちの宿・追跡者」伊東潤
愛宕宮からは瀬戸内海が一望の下に見渡せた。一面に広がる海は縮緬模様のように見える。
この写真の中央くらいに愛宕宮があったのでは、と推測しながら撮った。
オール読物2018年6月号「潮待ちの宿・追跡者」伊東潤
愛宕宮から真なべ屋のある笠神社方面へとつづく道は、遊女街の伏越小路から続いているため、遊女たちがよく歩いている。
「遊女たちがよく歩いている」という伏越小路を流れる、宮地川。
宮地川の水量も普段とは全く違う程の流れになっていた。
2020年7月15日