田んぼの「坪枯れ」


中国新聞と山陽新聞に水田のウンカの被害記事が載っている。



中国新聞 9月26日土曜日 



コメ農家ダブルショック
中国地方
収入減・ウンカ被害甚大
価格安・コロナで外食減


中国地方の農家が、米の収入減と価格安とう二重の危機に懸念を強めている。
稲を枯らす害虫トビイロウンカが猛威を振るいはじめ、広島県西部では収穫できなくなった水田もある。
新型コロナウイルスの感染拡大で外食や給食需要が激減し、米価も全国で下がる見通し。
農家には厳しい秋になりそうだ。

東広島市西条町の田んぼに、茶色い穴が開いたように見える「坪枯れ」被害が広がる。
ウンカに荒らされた跡だ。
視察したJA広島中央・営農販売課の西田課長が「稲が全滅した水田も複数ある。全体の収量は2〜3割減るかもしれない」とため息をついた。
近くの農業Nさんは、わせ品種の水田約100アールのうち坪枯れが20〜30アールで出た。
例年2回のウンカ対策の薬剤散布を増やしたが、被害を抑えきれなかった。
「追加の防除代だけで10万円以上。2〜3割の収穫減で止まってくれればいいいが」と顔を曇らせた。






2020年9月23日・笠岡市吉浜の「坪枯れ」






2020年9月27日・笠岡市園井の「坪枯れ」






2020年9月29日・笠岡市新賀の「坪枯れ」










山陽新聞 2020年10月2日 土曜日 備後版



福山の水田 被害深刻
稲に寄生 害虫「トビイロウンカ」大量発生
各所で坪枯れ 共済へ損失補填申請急増


稲に寄生する害虫「トビイロウンカ」が大量発生し、福山市内各地で被害が広がっている。
稲がまとまって枯れる「坪枯れ」を起こしている田んぼも。
被害を受けた農家は、かさむ農薬代や収量減に頭を抱えている。


市北西部の芦田町福田。
田んぼに茶色い穴が空いたようにくぼんで稲が枯れる、坪枯れがあちこちで見られる。
Kさんは所有する200アールの水田のうち50アールが約10日間で枯れた。
「一晩で一部の色が変わり、すぐに広がっていった」
とぼうぜんと田を見つめる。

トビイロウンカは体長4〜5ミリ。稲の根元から養分を吸って枯らす。
梅雨期に中国大陸から飛来するが、今年は例年になく数が多かったとみられる。

県は7月30日に病害虫発生の注意報を出し、8月13日には警報を22年ぶりに発令した。

梅雨が長かったこと、8月に高温が続いたことで、いっそう繁殖が進んだと県は推測する。

県農業共済組合によると、ウンカ被害に関する市内の損失補填の申請は9月30日現在で169件。
昨年の10倍に達するという。
市は現時点では具体的な支援策は考えていないという。






2020年10月1日・矢掛町江良の「坪枯れ」







2020年10月1日・笠岡市こうのの「坪枯れ」





2020年10月2日・笠岡市吉田の「坪枯れ」








2020年10月2日・笠岡市東大戸の「坪枯れ」







新聞記事にあるように、「一晩で田んぼの色が変わる」ので、まだまだ被害は大きくなりそうだ。


吉田の彼岸花



2020年10月4日